昨今、若い女性から園芸好きの方まで人気の”ハーブ”。
ハーブティーはもちろん、お料理に使ったり、アロマセラピーのエッセンシャルオイルとして利用したり、用途は様々です。気軽に香りを楽しむことから、疾病予防や家庭の医療としての本格的な利用まで、幅広い利用が期待されています。
さて、その”ハーブ”は、漠然と「よい香りのする健康に有益な植物」というイメージですが、ハーブの定義とは何でしょうか?
英語の herb(ハーブ)は、「草、草本、薬草、香料植物」という名詞で、「~に香味を付ける」という動詞の意味もあります。
日本メディカルハーブ協会によると、ハーブとは「生活に役立つ香りのある植物」ということ。
英国王立園芸協会による “Dictionary of Gardening” によると、「時期の終わりに茎が枯れる植物(すなわち草本植物)」と、植物学的により狭義に定義されています。ですが実際に”ハーブ”と呼ばれる慣わしの植物の中には、時期の終わりに茎の枯れない常緑樹なども含まれていることがあるようです。
その点、オックスフォード英語大辞典での定義「葉は茎などを薬や香料に利用する植物」は、より一般的に理解しやすいものです。
また伝統的にヨーロッパでは、国内で栽培できず輸入されるものが多いスパイスとの違いとして、自国内で栽培できる植物の部位を”ハーブ”と呼ぶ慣わしがあるようです。
さらに、上のいくつかの定義では「香り」がハーブの定義に含まれていますが、香り付けのためではなく、葉物野菜のようにサラダとして食用にする「サラダ用ハーブ」と区分されるものもハーブにはあります。
このように、”ハーブ”の定義は、その利用意図やシーンにより様々で、なかなか複雑です。
しかしどのようなシーンでの利用であれ、植物の各部位に有効な成分が含まれているのが”ハーブ”の特質で、その成分には香りと風味を放つものが多くあると言えるでしょう。
実際にハーブに触れ利用していくと、ハーブの定義もより分かりやすくなるでしょう。
歴史的には、ハーブは古代から利用されており、料理への利用はもちろん、医療(薬)として外用・内用として身体のあらゆる部位へ利用されてきました。常に人とともにあり人に利用されてきた経緯から、「生活に役立つ香りのある植物」という定義は良く理解できます。
庭やプランターなど狭い場所で気軽に栽培できる品種が多いのも、ハーブの特性です。ミントなど古くから多彩に利用されてきたハーブがとても簡単に栽培できたり、私たちの生活に豊かで健康な彩りを与えています。気軽に生活の中で楽しめ、健康増進させるものがハーブのひとつの特性だと考えると、より楽しくハーブ生活が送れそうです。