インド亜大陸のハーブ

インド亜大陸のハーブ II ~インドの日常的なハーブ混合薬2種

アーユルヴェーダのハーブ

インドの伝統医療アーユルヴェーダ

インドの植物・メディカルハーブとしては、まずアーユルヴェーダをはずすことができません。インドの伝統的な医療は非常に古い歴史がありますが、紀元前2500年にはその日付の入った文献が発見されています。

アーユルヴェーダとは

アーユルヴェーダとは、古代インドの伝統的医学で、自然の植物などを多様する自然医学です。
その思想として、3つのドーシャ(病素)*1)という考えがあります。
3つのドーシャは、ヴァータ(風の要素)、ピッタ(火の要素)、カパ(水の要素)で、この3つのドーシャが各々の人の体質を決定したり、またそのアンバランスが、一時的な病を引き起こすとされています。身体的な症状だけでなく、精神的な状態や性格もまた、このドーシャで説明されます。

* 注1)ドーシャ:人ではその体質的な要素、また病につながる要素(病素)。各ドーシャの増大や不均衡が、病気を生むと考えられます。そのため、各ドーシャは他のドーシャに対して増えすぎないことが健康だとされます。ドーシャは精神・身体的な特徴を持つ「要素」ですが、人が先天的に持っている性質(体質)は「プラクリティ」と呼ばれます。

アーユルヴェーダは伝統的にインドやスリランカで現代でも行われていますが、近年の西洋社会でもヘルスケアや美容の分野で人気が高くなっています。

アーユルヴェーダの2つの古典医学の聖典(チャラカとスシュルタ)

インドのアーユルヴェーダは、その古典文献『チャラカ・サンヒター(Charaka Samhita)』『スシュルタ・サンヒター(Sushruta Samhita)』が知られています。『チャラカ・サンヒター』は内科の医学書で、メディカルハーブについての記述も多く、『スシュルタ・サンヒター』は外科の医学書です。

『チャラカ・サンヒター』

『チャラカ・サンヒター』は、2世紀のカニシカ王の侍医であったチャラカの名が本集の名に採用されていますが、チャラカ個人が提唱したものではなく、北西インドのアートレーヤ学派の医学が元になっています。
もともと『チャラカ・サンヒター』の成立には伝説的な部分があります。
インドの古代医学アーユルヴェーダの知識は神々に起源を発するとされ、様々な神によって継承された後、その弟子アートレーヤに教えが授けられたとされます。この知識を受け継ぐのが“アートレーヤ学派”ですが、そのアートレーヤの弟子の1人であるアグニベーシャが、まずその知識を『アグニヴェーシャ・タントラ』にまとめました。
『チャラカ・サンヒター』は、この『アグニヴェーシャ・タントラ』をチャラカが改編した医学書なのです。

チャラカの後も、長年に渡り多くの人物の編集が続けられ、アーユルヴェーダ医学の実用的・専門的な書として2000年間、利用されてきています。

インドのメディカルハーブの父チャラカの像(インド、ハリドワール)

インドのメディカルハーブの父チャラカの像(インド、ハリドワール)

現在では、古代の『チャラカ・サンヒター』の原典は存在せず、その写本も原典からは内容が大きく異なっています。ですが、アーユルヴェーダは、『チャラカ・サンヒター』が編集された古典の段階で、すでに医学体系として完成していたと言われ、また現代でもインド古典医学アーユルヴェーダの基本聖典とされています。

『スシュルタ・サンヒター』

一方、『スシュルタ・サンヒター』は、スシュルタ(チャラカより少し後の紀元後2~3世紀の人物)によって編集された医学書で、外科的な治療法が多く述べられています。
『スシュルタ・サンヒター』の成立は起源後3~4世紀頃とされます。
『スシュルタ・サンヒター』に記載された内容は、カーシー(現在のワーラーナシー)地方の王ダンバンタリ(Dhanvantari)が弟子のスシュルタに教えを授けるという構成になっていますが、こうした伝記的な内容もあって、スシュルタ自身も伝説の人物という説もあります。

『スシュルタ・サンヒター』英語訳の書籍のタイトルページ

『スシュルタ・サンヒター』英語訳の書籍のタイトルページ

現代ではアーユルヴェーダのメディカルハーブは、約600種類が利用されていますが、それらの中には、複数のハーブが調合されたものとして有名なものもあります。「トリファラ(Triphala)」や、「チャワンプラシュ(chyavanprash)」など、日常的な健康維持に利用されるメディカルハーブの配合が利用されています。この2つの非常にポピュラーなアーユルヴェーダのハーブ調剤をご紹介します。

トリファラ(Triphala)

インドでポピュラーはトリファラは、英語で「three fruits」(3つの果実)という意味のアーユルヴェーダのハーブ調剤です。アーユルヴェーダでは、「ラサヤーナ」*2)(rasayana)に分類され、アーユルヴェーダの3つのドーシャ(要素、病素)をすべて調整するという重宝なものです。

* 注2)ラサヤーナ:
サンスクリット語で、ラサ(=Essence)、ヤーナ(Path)の意味で、初期のアーユルヴェーダ医学で「寿命を延ばす科学」の意味。

トリファラに含まれるハーブのひとつ“ハリタキ”

トリファラに含まれるハーブのひとつ“ハリタキ”

トリファラは、アラマキ(Amalaki、学名:Emblica officinalis)、ビビタキ(Bibhitaki、学名:Terminalia bellirica)、ハリタキ(Haritaki、学名:Terminalia chebula)の3つのハーブが、同量で含まれるものです。

トリファラには、没食子酸(もっしょくしさん)、クレブラギン酸、タンニンの一種であるケブリン酸が含まれており、これらが健康に有益であるとされています。

アーユルヴェーダでは、免疫系への刺激、消化改善、便秘の緩和、消化管の洗浄、駆風(=ガスを出す)、糖尿病の治療、眼疾患の治療などの目的で利用されますが、これらの効果の実証については調査研究中とされています。

インドでは、食欲を増し消化を高めるハーブとして、日常的によく利用されます。下痢や便秘を改善し、体脂肪を燃やす効果も知られています。体内の不要物を除去し、血液と内臓を浄化する働きがあります。
子供も利用できるポピュラーなハーブですが、数千年前からインドで利用されていたという非常に歴史のある調合です。

トリファラに含まれている3つのハーブ

アラマキ(アムラ)

(Amalaki、学名:Emblica officinalis)

アラマキ(アムラ)の果実(インド西ベンガルのジャルパイグリ地方にある保護区"Buxa Tiger Reserve”)

アラマキ(アムラ)の果実(インド西ベンガルのジャルパイグリ地方にある保護区”Buxa Tiger Reserve”)

アラマキはユキノシタ科スグリ属の植物です。
アムラという名称でも良く知られており、インドでポピュラーな薬草です。多くの薬効をもつこの薬草は、ヒンドゥー教の神聖なハーブでもあり、この植物の中にはビシュヌ神*3)が住んでいるとヒンドゥー教徒たちによって信じられています。

ビシュヌ神

ビシュヌ神

* 注3)ビシュヌ神:ヒンドゥー教の神で、ブラフマー、シヴァとともに”トリムルティ(三神一体)”の神。ブラフラー、シヴァ、ビシュヌは、神聖なひとつの存在か顕現した3つの神の形で、同一の存在だとされる。「創造の神」であるブラフマー、「破壊と再生の神」であるシヴァに対し、ビシュヌは世界を「維持/守護する神」という役割がある。ビシュヌ神は通常、青い肌の色で4本の腕を持つ姿で描かれている。

アラマキは、「若返りのハーブ」としてよく知られ、葉や幹、根など、植物のほとんどの部位がアーユルヴェーダの薬として利用されます。

アーユルヴェーダにおいても非常に重要なハーブですが、アラマキはアーユルヴェーダの3つの体質、ピッタ、カパ、ヴァータの3つのドーシャ(要素、病素)のバランスを取ります。

"トリ・ドーシャ(3つのドーシャ)"と”パンチャ・マハーブータ(五大要素)”の関係

“トリ・ドーシャ(3つのドーシャ)”と”パンチャ・マハーブータ(五大要素)”の関係

さらに、アーユルヴェーダで定義される「6つの味」*4)のうち5つがアラマキに含まれるということも、他のハーブと比べてアラマキの稀少な特徴です。これら多くの”味”を持つことは、3つのドーシャすべてに対応していることと関係しています(各ドーシャは、それぞれ特徴的な”味”に対応しています)。

* 注4)アーユルヴェーダの古典『チャラカ・サンヒター』に記されている6つの味「甘味、酸味、渋み、苦味、辛味、塩味」のうちの「塩味」以外の5つを含むとされます。

成分的には、鉄分が多く、また100gあたり450mg~700mgものビタミンCが含まれており、これはレモンの7倍にもなり、強力抗酸化火力を持ちます。

アラマキ(アムラ)には、レモンの7倍のビタミンCが含まれている。

アラマキ(アムラ)には、レモンの7倍のビタミンCが含まれている。

また、アラマキの苦味の元であるタンニンや、多くのポリフェノールも含んでいます。

アラマキの薬効としては、便秘の改善、肛門の治療、解熱、血液の浄化、咳の軽減、喘息の緩和、老化予防、栄養改善(栄養補給)、強心、目への滋養、育毛刺激、体力増進、知性増進など、非常に多くの効果が認められています。

アラマキ自体は苦い味のため、蜂蜜と共に摂ることで、蜂蜜の滋養作用とも相まって、さらなる滋養強壮になり、また視力回復にもつながるとされています。

アーユルヴェーダには、トリファラや、またチャワンプラシュなどの複合ハーブ薬がありますが、それら複合ハーブ薬には、アラマキが多くの場合、主要な成分とされています。

また、料理にもアラマキは利用されます。
インドのプラタップガー(Pratapgarh、インド北西部のラジャスターン州の一地区)は、アラマキの最大の生産地のひとつです。

アラマキ(アムラ)の樹木(インド・ラジャスタン地方)

アラマキ(アムラ)の樹木(インド・ラジャスタン地方)

ラジャスタン州プラタップガー地方の風景

ラジャスタン州プラタップガー地方の風景

この地域では、フルーツは塩、油、スパイスなどで漬けて食べられますが、アラマキの果実は生のまま食べたり、様々な料理にも利用されます。レンズ豆と共に調理したり、「amle ka murabbah」と呼ばれるベリーの砂糖づけに一緒に漬けられたりします。

また、日常生活では、アラマキは髪に非常に有益なことで知られます。毛髪と頭皮に栄養を与え、白髪を防ぐとされ、シャンプーやヘアオイルに含まれています。

アラマキ(アムラ)を含むヘアオイル商品"Dabur Amla Hair Oil"2点

アラマキ(アムラ)を含むヘアオイル商品”Dabur Amla Hair Oil”2点

アラマキからヘアオイルを自作する場合、乾燥したアラマキの実の粉をココナッツ・オイルと混ぜ、1~2時間火にかけた後に冷まし、ヘアオイルとします。または、アラマキの実か、実をつぶした粉を一晩水に浸けると、アラマキ水のシャンプーとなります。アラマキを浸け置いた水で洗髪すると、髪に潤いをもたらし、フケ予防にもなります。

また、アラマキは布地への染料にも利用されますが、これはアラマキに含まれるタンニンが、染料を固定する働きによります。

ビビタキ

(Bibhitaki、学名:Terminalia bellirica)

ビビタキ(Terminalia bellerica)

ビビタキ(Terminalia bellerica)

ビビタキは、シクンシ科(Combretaceae)モモタマナ属(Terminalia)の植物で、東南アジアの平野と丘陵地帯に見られる大きな落葉樹です。
ネパールでは、「バイラ」という名称で呼ばれますが、これは「病気から距離を保つもの」という意味です。

ビビタキは、アーユルヴェーダの3つのドーシャ(要素、病素)のうち、カパのバランスを整えます。カパの特徴である”水”に関する身体の症状、体内の粘液・やになどを排出し浄化し、また結腸の毒素も排出します。

ドーシャの"カパ"は、「水/地」の性質を持つ。

ドーシャの”カパ”は、「水/地」の性質を持つ。

また、喘息や気管支炎など肺の疾病に効果があり、さらに、喉の痛みや心臓・目・膀胱などの症状、便秘にも効果を発します。
体組織の収斂(しゅうれん:肌を引き締める)作用があり、身体の元気を回復する薬剤です。

Dymock、Warden、Hooperによって著された『ファーマコグラフィア・インディア(Pharmacographia Indica)(1890年)では、ビビタキについてこのように触れられています。

書籍『Pharmacographia Indica』タイトルページ(P.7)

書籍『Pharmacographia Indica』タイトルページ(P.7)

”北インドのヒンドゥー教徒たちは、この木には悪魔が住んでいると考えており、この木の陰の下に座ることを避けています。
インドでは、ビビタキには2つの種が発見されており、そのうちひとつは直径2分の1から4分の3のほぼ球形の果実を持ち、もうひとつは卵型でより大きな果実を持ちます。
この(Beleric myrobalan)果実は、インドの医師には、収斂(しゅうれん:肌を引き締める)剤、便秘薬として処方されています。また、喉と胸の疾患に対しては、畢撥*5)(ヒハツ、long pepper、学名:Piper longum)と塩と一緒に処方されます。
トリファラ(=emblic, beleric and chebulic myrobalans)の成分としては、非常に多くの疾病に対して利用され、その種子は、炎症を起こした皮膚に対して外用で利用されることもあります。
その医学的性質から、ビビタキの木は、サンスクリット語で”Anila-ghnaka”(”wind-killing”の意味)とも呼ばれます。”ニガンタス”(Nighantus、古典的な語の用語集)によると、ビビタキの種子は催眠性がある(=麻薬)とされます。 ”

ヒハツ(Long pepper)

ヒハツ(Long pepper)

* 注5) ヒハツ:インディアン・ロング・ペッパーとも呼ばれる。コショウ科(Piperaceae)の中で、花を咲かせるつる植物で、その果実のために収穫させる。通常は、スパイスやシーズニング(香味料)として利用される。

インド亜大陸のロダ(Lodha)*6)の人々は、ビビタキの種子を、意識変容の目的で食べています。

ロダ(Lodhas)の人々(インド北部サーガル(Saugor)にて・1868年)

ロダ(Lodhas)の人々(インド北部サーガル(Saugor)にて・1868年)

* 注6)ロダ:ラジャスタン、グジャラートの人々。西ベンガルとオディッサに住む部族の人々。

ハリタキ

(Haritaki、学名:Terminalia chebula)

ハリタキの葉と果実("South China Botanical Garden"(中国広州市の植物園)にて)

ハリタキの葉と果実(”South China Botanical Garden”(中国広州市の植物園)にて)

ハリタキは、シクンシ科(Combretaceae)モモタマナ属(Terminalia)の中型から大型の落葉樹です。
南アジア(インド・ネパールから、中国南西部(雲南省)、スリランカ、マレーシア、ヴェトナムまで)に自生しています。
インドでは、ヒマラヤ山脈の標高1,500mまでの地域で、見られます。

ハリタキは、トリファラに含まれる3つのハーブの中で最も強い緩下(かんげ)作用を持ち、腸を強く刺激します。また駆風作用(=ガスを排出させる)や利尿作用、消化促進作用があります。
さらに、強壮作用や、老化の防止、感覚器官の働きを鋭くする働きもあります。

他にハリタキの効果としては、

腎臓と肝臓の機能不全、咳、皮膚病、貧血、麻痺、痔、慢性・間欠性の熱、心臓病、頭痛、便秘、下痢、食欲不振、咳、腹部の硬化症、脾腫大、急性腹痛、唾液分泌過多

などの多くの症状を改善する効果があります。

ハリタキはまた、アラマキと同様に、6つの味のうち5つを含みます。*4)

* 注4)アーユルヴェーダの古典『チャラカ・サンヒター』に記されている6つの味「甘味、酸味、渋み、苦味、辛味、塩味」のうちの「塩味」以外の5つを含むとされます。

アーユルヴェーダでは、ハーブの性質で「熱/令」の区別がありますが、ハリタキは「熱」の性質を持ちます。これにより、ハタリキは体を熱する作用があり、胃弱な体質や、痩せ衰えている人、熱を持った症状のときには長期でハリタキを摂取しないように、というアドバイスがあります。

ドーシャ(要素、病素)の考え方では、ハリタキはヴァータのバランスを整えます。

ドーシャの"ヴァータ"は、「空/風」の性質を持つ。

ドーシャの”ヴァータ”は、「空/風」の性質を持つ。

チャワンプラシュ(chyavanprash, chyawanprash)

市販されている"チャワンプラシュ"(商品)2つ

市販されている”チャワンプラシュ”(商品)2つ

チャワンプラシュは、インドで日常的に食されている栄養補助食品(dietary supplement)です。43種類のハーブとスパイスに、ギー*7)、蜂蜜、ごま油などを加えたジャム状のもので、通常はお湯や暖かいミルクに溶いて飲用します。子供の成長に必要な栄養補給にも、安心して飲用できる栄養満点のハーブ薬です。

粘度の高いジャムのような、チャワンプラシュ(上写真の商品より)

粘度の高いジャムのような、チャワンプラシュ(上写真の商品より)

チャワンプラシュは、体力維持、老化防止、細胞機能の活性化などの効果が、長い伝統の中で経験されてきました。また、身体面だけでなく、脳細胞への栄養を高めることによって記憶力を向上・維持するなど、脳の機能や知性の活性化の効果もあります。

その他にも、免疫システムの強化、筋肉量の増加、消化のサポート、肝機能のサポート、代謝のバランス、栄養素の吸収促進、胃酸のバランス、便秘の緩和、心機能の平滑化など、多くの効果が認められています。

多くのハーブ薬の中で、主成分として働いているハーブのひとつが、トリファラにも含まれているアラマキ(アムラ)です。アラマキは組織の浄化、毒素排出、栄養補給に優れたハーブで、強力な若返りハーブとして知られます。また、ビタミンCが豊富で免疫力を向上させるため、日本でも、寒い時期の風邪やインフルエンザ予防として摂取しても良いでしょう。肺や気管支を強くする働きもあります。

アラマキ(アムラ)の木(インド西ベンガルのジャルパイグリ地方にある保護区"Buxa Tiger Reserve”)

アラマキ(アムラ)の木(インド西ベンガルのジャルパイグリ地方にある保護区”Buxa Tiger Reserve”)

チャワンプラシュは、古くはアーユルヴェーダの古典文献『チャラカ・サンヒター(Charaka Samhita)』でも、若さを保つコンビネーションとして紹介されています。この文献に登場したのは、紀元前1000年頃の初期とされ、現在まで非常に長い歴史を持って利用されてきた調合です。

また、チャワンプラシュという名称は、最初にこのフォーミュラを処方した相手、チャワン・リシ(Chyawan Rishi)という人物の名前に由来しています。

チャワンプラシュに含まれるハーブとスパイス

チャワンプラシュに含まれる主なハーブとスパイスは、以下の通りです。

  • アシュワガンダ(Withania somnifera)、アスパラガス(Asparagus officinalis)、アムラ(Phyllanthus emblica)、バンブーマナ(Bambusa arundinacea)、ブルー・エチオピアン・ウォーター・リリー(Nymphaea caerulea)、カルダモン(Elettaria cardamomum)、ミロルバン(chebulic myrobalan)、チャイニーズ・シナモン(Cinnamomum cassia)、シナモンの樹皮(Cinnamomum verum)、クローブ(Syzygium aromaticum)、インディアン・ローズ・チェストナット(Indian rose chestnut)、カントリーマロー(Abutilon indicum)、フェザー・ホイル・プラント(Phyllanthus niruri)、ゴール(galls)、ギー(ghee)*7)、ジャイアント・ポテト (Ipomoea mauritiana または Kiribadu Ala)、グドゥチ(Tinospora cordifolia)、蜂蜜、インディアン・クズ(Pueraria lobata)、アイリッシュ・ルート(Irish root)、甘草(Glycyrrhiza glabra)、ロング・ペッパー(Piper longum)、マラバルナッツ(Adhatoda vasica)、ナットグラス(Cyperus rotundus)、レーズン(Vitis spp.)、夏ウコン(Curcuma zedoaria)、サンダルウッド(Santalum album)、ホグウィード(Boerhavia diffusa)、タイガーズ・クロウ( Erythrina variegata)またはアイスプラント(Erythrina variegata)、ワイルドブラックグラム(Teramunus labialis Spreng.)、ワイルドグリーングラム(Vigna radiata (var. sublobata))

* 注7)ギー(Ghee):
発酵無塩バター(インドで「マカーン」と呼ばれる)を煮詰め、水分や蛋白質を取り除いた純粋な乳脂肪。インドなど南アジアの地域で古くから食用として利用されている。

現代では、上の基本のレシピを元に、多くのメーカーからチャワンプラシュの商品が販売されています。

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