ハーブの使い方

ハーブティー

ハーブティー

ハーブの利用法の中で、もっともポピュラーで簡単なものが”ハーブティー”と言えるでしょう。

ハーブティーは、その名の通り、ハーブを利用したティー(お茶)です。専門的には、お湯に浸すという意味から、”温浸剤(おんしんざい)”にあたりますが、”冷浸剤(れいしんざい)”と呼ばれる水出しのハーブティーもあります。
緑茶や紅茶、コーヒーなどのように、くつろぎタイムの気軽なドリンクから、ハーブの薬効を期待した健康増進のための利用法まで、広範囲のニーズに利用できるのがハーブティーです。

ハーブティー

1. ドリンクとしての利用

ハーブの禁忌事項に触れないもので、安全性が高いものであれば、どんなものでもお好みで飲むことができます。
もちろん、1日の中の時間帯や体調に合わせ、ハーブの性質を選んで飲めば、さらにティータイムを楽しむことができるでしょう。

例えば、

・お目覚め時に:気分をさわやかに。1日の活動をスムーズにするための活力を。

・ランチ後のティータイムに:ほっと一息できるスィートな味のものを。仕事の合間など、心身ともにリフレッシュ効果+さらなる活力を増すものを。

・ディナー前後に:消化の働きを助けるものを。口腔内を清潔にするものを。

・就寝前に:スムーズに就寝できるよう神経系をリラックスさせるものを。

などです。

代表的なハーブティーは、

・お目覚め時に:ローズヒップ、ローズマリー、セージ

・ランチ後のティータイムに:マテ、ルイボス、レモンバーベナ、リコリス(*)

・ディナー前後に:ミント、ハイビスカス、ダンディライオン(タンポポ)

・就寝前に:カモミール、ラヴェンダー、パッションフラワー

就寝前のハーブティー

就寝前のベッドタイム・ティー ~ 神経をリラックスさせ快適な睡眠を導きましょう。

注*)リコリス:妊娠・授乳中、高血圧、心臓/肝臓/腎臓/甲状腺の疾病のある方は使用を控えること。

それぞれ、味も香りもハーブティーは様々です。お好みの味と香りを、ぜひ探してみましょう。

2. 健康増進を期待した利用

ハーブにはそれぞれ薬理効果が認められているものが多数あり、日々の健康増進のために利用することができます。
ハーブがどのような健康増進の助けになるか、その効果についてはハーブの効能を参照してみましょう。

代表的なものでは、

・初期の風邪の緩和に(特に咳の緩和など):タイム

・免疫力を高めるもの:エキナセア

・お腹の不調に:ミント

などです。

エキナセア

ネイティブアメリカンに利用されてきたエキナセア。風邪の初期症状に。

●ハーブティーの入れ方

一概に”ハーブティー”と言っても、入れ方はさまざまです。いろいろなハーブティーの楽しみ方をご紹介します。

<温浸剤:暖かいハーブティー>

 

1. ティーバッグで

ティーバッグ もっともポピュラーで手軽なのは、ティーバッグになっているものを購入することです。
ティーバッグをそのままカップにいれ、お湯を注ぐだけ。とても手軽ですが、ハーブはドライの状態で細かく砕かれているのがティーバッグです。
また、小さなティーバッグに入っているため、ハーブがお湯に触れる面は小さく、ハーブの有効成分が他の方法に比べて出づらい場合もあります。
逆に、様々なハーブをブレンドしてティーバッグにつめているものもあり、味や効能面からも、手軽に複数のハーブ・ブレンドを味わうことができます。

<例>
「ローズマリー・セージ・ティー」:ローズマリーとセージをブレンドしたもの
ローズマリーもセージも、脳を活性化して記憶力を高めます。頭をスッキリさせたいときに。

2. ドライハーブをポットに入れて

ドライハーブ ドライハーブとして購入したハーブを、ガラスや陶器などのポットで浸出させて飲みます。
できればガラス製のポットを使用するとハーブ(葉や花)の広がり具合や、色の出方が確認できるのでお勧めです。
入れ方は紅茶と同じで、熱したポットにハーブを入れ、熱湯を注ぎ、葉や花なら3~5分、実や根で5~6分蓋をして置きます。その後、カップに注いで飲みましょう。

3. フレッシュ(生の)ハーブをポットに入れて

フレッシュハーブティー 家庭でハーブを栽培している方なら、ぜひ、摘んだばかりのハーブでフレッシュハーブティーを味わいたいものです。
ハーブは基本的に、ドライにするとその成分の効果がフレッシュのときの3分の1程度になります。強い香りをそのまま楽しむのはもちろん、ハーブの効果をたくさんいただくためにも、フレッシュハーブティーは、とてもオススメ!
入れ方は、ドライハーブと同じです。

4. 煎じて飲む(実や根)

固い実や根は、花や葉のように熱湯をかけるだけでは、成分が出づらいものもあります。こうしたものは、鍋にお湯と一緒に入れ、煎じて飲む方法もあります。
鍋に水と一緒にハーブを入れ、火にかけ、沸騰したら火をとめ、さらに5分間とろ火で煎じます。その後、茶漉(こ)しでハーブを濾(こ)していただきます。
この方法で作ったものは、ハーブの”煎剤(せんざい)”と言われます。

<冷浸剤:冷たいハーブティー>

水出しハーブティーです。熱湯を注がず、常温の水に浸すため、熱湯によるハーブティーよりも作るのに時間がかかります。長時間浸している間に雑菌などが入らないよう、蓋ができる容器を選びましょう。

水出しハーブティー 水出しハーブティーのメリットとしては、熱湯の高温に浸さないため、ハーブに含まれる高温で溶出する成分が溶け出るのが抑えられます。例えば、マテにはカフェインやタンニンを含みますが、これらは高温で溶け出るので、常温の水出しにすればカフェインなしの子供にもより安全なマテ・ティーが出来上がります。
暑い夏には冷蔵庫で保存するなど、ぜひチャレンジしてみたいですね。

<例>
・「マテの水出しハーブティー」
 マテ15gを水500mlに約6時間浸します。

ハーブティーは本当に気軽に楽しめるハーブの利用法。ちょっとしたグッズさえあれば、1日中いつでも味わえます。
例えば、カフェで売られている専用のタンブラーなどに、朝、1日飲みたいハーブと熱湯を注いでオフィスに持参するのもいいですね。タンブラーとハーブを何種かオフィスに常備すれば、熱湯を注いで長時間ハーブティーが味わえます。
その日の体調や気分で、ほぼどんな状態にもマッチするものを選べるのがハーブティーの良いところ。

ハーブに親しむなら、まずはハーブティーから。お好みのハーブティーが見つかるように、ぜひいろいろなハーブにチャレンジしてみましょう!